日帰り「生抜塾」(室内&野外プログラム)に参加!
生抜塾の1日コースに女性の塾生がご参加くださいました。
新しい自分を発見するため、今まで体験したことはないことであれば、何でもやりたいとの要望でした。
事前にZoomにて打ち合わせを行い、ご希望を伺ったうえでプログラムをカスタマイズ。当日は下記のスケジュールに沿って実施しました。
プログラム概要
- 屋外プログラム
- 竹細工(竹箸・器・炊飯用・魚用串)
- 昼食(薪を使った鶏の網焼き・岩魚・ご飯)
- テントの設営・回収(草刈機で整地)
- 薪作り(チェーンソー(丸太切り)・斧(薪割り))
- 包丁研ぎ
- 屋内プログラム
- 睡眠について
- 動物との対比
- 市販薬・処方薬(薬剤師の立場からのレクチャー)
- 深い眠りの獲得に向けて
- 夕食(ジビエ料理(猪肉・鹿肉))
竹細工づくり
野外での昼食・夕食に備えて、青竹を使った竹箸、食器、魚用の串、炊飯用竹筒を作っていただきました。
最初はナイフの扱いに戸惑いながらも、削っていくうちにだんだんと手付きも安定し、最後にはすっかり「削り職人」のような仕上がりに。

途中、竹の繊維に負けそうになる場面もありましたが、
「削れば削るほど整うのは、竹も人生も同じですね」
名言いただきました。
昼食
昼食は、焚き火を使った鶏の網焼きです。網の中央に鶏の脂を配置し、溶けた脂が薪に垂れ落ちて煙をまとうという、香り高い調理法を体験。
宮崎県の郷土料理に有名な「鶏の炭火焼き」がありますが、生抜塾では炭火ではなく薪火を使いました。炎高く香り高く、まさに野外でこそ味わえる一品でした。


天然の岩魚は自作の竹串に刺して1時間かけてじっくりと焼き上げました。
ご飯はこれまた自らが青竹を切って作った竹筒で、火に直接入れて炊飯。竹の香りとほんのりとした甘みが混ざり合い、香ばしいおこげも相まって絶品となりました。

「竹の器も中身も、どっちも美味しくて食べられそう!」
…食器はご遠慮ください(笑)。
テントの設営
今回は日帰りのため宿泊はありませんでしたが、「一度テントを張ってみたい」とのご希望で、草刈り整地・設営・撤収まで体験していただきました。
整地では都会人であれば滅多に使うことのない草刈り機に挑戦して貰いました。草刈機は別名、刈払い機と言われ、右から左に振ることで歯が時計と反対周りとなるため、刈った雑草が巻きつき左端に集まるようになります。そのことを意識することにより刈った草を回収しやすくなります。

設営では、まず寝床の確保を優先する大切さや、ペグの回収の注意点(特に黒ペグは忘れやすい!)などもお伝えしました。
「これ、ペグ探しが一番疲れますね」
次回はカラフルなペグがあればいいですね。
丸太切り&薪割り体験
薪を束で購入するのではなく、自ら作るところから体験するのも生抜塾の特徴のひとつです。
今回は、電動とエンジン式など3種類のチェーンソーを使って丸太切りを実施。
はじめてのチェーンソーに緊張されていましたが、丁寧な説明のあと、勇気を持って始動。

エンジン音とともに木屑が舞い、豪快な作業に夢中になっておられました。その後は斧を使って薪割りも体験。
「斧を振ると、悩みも一緒に割れる気がしますね」


心も軽くなる薪割りです。
屋内プログラム
1)睡眠について
日本人の平均睡眠時間はOECD諸国の中でも短い傾向にあり、認知機能や学習効率への悪影響が懸念されています。
睡眠の“質”というと「深く眠れば良い」と思いがちですが、実はノンレム・レムのバランスが重要であり、それぞれに記憶や感情の処理という役割があります。
「眠りに関しても、“浅く広く”じゃなく、“深く賢く”が大事なんですね」
まさかのビジネス風まとめ。納得です。
2)睡眠薬について
OTC薬の中には「プレミアム」と記載されている製品もありますが、これは“効果”ではなく“価格”のプレミアム。
成分と最大用量は決まっているため、効能に大差はありません。パッケージの豪華さも効き目とは無関係です。
「パッケージに騙されない目を養いたい」
真剣な表情。すでに“買わされない力”を習得されたようです。
夕食
夕食は、猪のリブを焚き火でじっくりと焼き上げ、鹿肉のボロネーゼを仕上げてもらいました。
最後にパルミザンチーズを投入し、風味豊かに炒めて完成。豪快さと繊細さの融合です。
「鹿も猪もいただいて…まさに“野生のフルコース”ですね」
焚き火越しに、満ち足りた笑顔がこぼれました。
まとめ
一日を通して、自然と向き合い、自分の手と頭と五感をフル稼働させた体験となりました。
塾生は
「明日からまた街に戻りますが、しばらく“竹の器”でコーヒー飲みたくなりそうです」
と、名残惜しさを残しつつ帰路につかれました。
自然の中に身を置くと、人は思考も感覚もチューニングされるもの。
そして、次にお会いする頃にはきっと、竹を見ただけでナイフを手に取ってしまうはずです。