4 – GO/NO GOの判断

2024/11/1

製薬会社は現状維持では毎年薬価が引き下げられるため、前年度と同じ販売数量では売り上げが落ちる。よって新薬を出し続けることが必須となる。

現状キャパ以上の多くのプロジェクト(開発候補品)を持っていた場合、開発リスクが高いものは対費用効果の関係から切り捨てることもあろう。

このプロジェクトは進めるべきGOと思ったものが、経営者からするとヒューマンリソースをかけ過ぎると判断し、開発中止NO GOとなる場合がある。

投資判断を行なった上で、経営者が最終的な決定(責任)を行っている。

PLはチームから成功裡に導く最も成功する可能性のある策を引き出し提案するのだ。

現場には人事権や予算の決裁権はない。したがって上層部へは公平なリスク報告も含めた最善の提案を行い、GO/NO GOの判断を任せることになる。

この場合、その判断が正しいかどうか誰も分からない。つまり、正解はないのだ。

NO GOプロジェクトに引きずられる必要はない、ということは覚えておいてほしい。

年間365億円の売り上げ予測の新薬候補品の発売がたった1日遅れるだけで特許独占期間が1日短縮され、その結果、約1億円(市場におけるジェネリック占有率8割)近い損失に繋がるという、新薬開発のプロジェクトリーダーとしての経験は、大変エキサイティングなものであったと思える。

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